こんにちは。
インテリアコーディネーター
+整理収納アドバイザーのユンです。
子ども部屋に対する考え方は
日本と海外では大きく異なります。
日本では
親子一緒の空間を大切にする家庭が多い一方、
海外では
幼児期から個室を与える文化も珍しくありません。
この記事では、
海外の子ども部屋事情をひもときながら、
お子さんにあったお部屋づくり
について考えていきます。
1. 子ども部屋に求められる3つの役割

① 自立心を育てる
自分の部屋があることで
「片付け」「ルール作り」
「一人の時間の過ごし方」など、
日常生活の中で自然と自立心が育まれます。
海外ではこの自立を早期に促す傾向があり、
3歳〜5歳頃から
一人部屋を持たせる家庭も少なくありません。
② 安心できる「居場所」になる
家庭内で
心が休まる「自分の場所」があることは、
子どものメンタル面にも良い影響を与えます。
親に叱られたとき、学校で疲れたとき、
落ち着ける場所があることで情緒が安定します。
③ 成長に合わせて変化できる空間
幼児期は遊びのスペース、
小学生になると学習スペース、
中高生になれば集中できるプライベート空間と、
子ども部屋は年齢に応じて
求められる機能が変わっていきます。
2. 日本と海外でどう違う?子ども部屋に対する考え方

国や文化によって、
子ども部屋の「あり方」は大きく異なります。
日本:家族のつながりを重視
- 就学前までは親と同室が一般的
- 兄弟姉妹で部屋を共有するケースも多い
- 子ども部屋は「学習のため」「収納のため」に
用意されることが多い - 親が子どもの生活を見守りやすいよう、
リビング学習が主流
特徴:子どもの成長を家族全体で見守る文化が根強い。
欧米諸国:自立とプライバシーを重視
- 幼児期から個室を持たせる家庭が多い
- 子どもの「ひとりの時間」を尊重
- 自分で部屋を片付け、
整える習慣を小さいうちから教える - 家具の配置や装飾は
子どもの意思が反映されやすい
特徴:早期から自立を促し、自己管理能力を育てることを重視。
北欧:環境と感性の調和を重視
- 自然素材や落ち着いたカラーで
インテリアを構成 - 「遊び」「学び」「休息」の
バランスを考えた空間設計 - シンプルで長く使える家具選びが主流
- 親子でDIYするなど
「一緒に作る楽しさ」を大切にする
特徴:心地よさと感性を育む環境が優先される。
3. 年齢別に考える、子ども部屋の役割と工夫

子ども部屋は、
年齢とともに求められる役割が
変わっていきます。
乳幼児期には「親とつながる安心の場」、
小学生期には「学びと整理の練習の場」、
思春期以降には「自分らしさを築く場所」として、
子どもの成長段階に合わせた工夫が必要です。
ここでは、
世界の子ども部屋事情も参考にしながら、
日本の住環境でも取り入れやすいポイントを
年齢別にご紹介します。
0〜3歳:親と一緒の空間で安心感を
この時期はまだ一人で過ごすことが難しいため、
子ども部屋というよりも「子どもスペース」を
家の中に設ける感覚で考えるのが◎。
リビングの一角などに遊び場をつくることで、
親の目が届き、
子どもも安心して過ごせます。
海外では
この時期から個室を用意する家庭もありますが、
ベビーモニターや扉の開閉で
常に様子が見られるなど、
“つながり”を保てる工夫をもつご家庭も。
日本でも、
完全な個室にこだわるより、
親子が自然と行き来できる距離感を意識するのが良いでしょう。
▶ 工夫のポイント
- おもちゃや絵本を出し入れしやすい低い棚
- プレイマットや柔らかいラグで安全性も確保
- 「ここは自分の場所」と感じられるコーナーづくり
↓LDK第1位のベビーモニター。泣き声や動きをお知らせしてくれます。
4〜6歳:初めての「自分のスペース」
少しずつ
「自分でやりたい」「自分のものを大切にしたい」
という気持ちが芽生える時期。
自分だけのスペースを持つことで、
行動の主体性や責任感が自然と育ちます。
この時期から
“子ども部屋らしい空間”があると、
就学への準備や生活リズムを整える
助けにもなります。
欧米では
この時期にはすでに
個室で寝起きするのが一般的で、
自分のベッドメイキングやおもちゃの整理を
日常の一部として覚えていきます。
▶ 工夫のポイント
- 自分で片付けしやすい収納配置
- 小さなデスクや工作スペースで「つくる」体験を
- 壁に作品や写真を飾れるコーナーで愛着アップ
↓小学校低学年くらいまで使用できる机。初めての“自分の”家具におすすめです。
小学生(6〜12歳):生活習慣と学びの基礎を築く空間
学習、読書、遊び、休息
……子ども部屋に求められる機能が
一気に増える時期です。
「片付ける」「時間を管理する」「集中する」など、
生活の自律が始まります。
北欧では
「学ぶ・遊ぶ・くつろぐ」の
バランスを大切にした部屋づくりが特徴的です。
日本でも、
勉強机の位置や照明、音の環境などに
配慮しながら、
子どもが快適に過ごせる工夫をしていきましょう。
▶ 工夫のポイント
- リビング学習と連動できる柔軟なデスク配置
- 習い事や学校の持ち物を“見える化”した収納法
- 友達を招いたときにも使いやすいスペース設計
↓本格的な子供部屋デビューにおすすめの2段ベッド。天然木でどんなテイストのインテリアにもピッタリ。
↓仕切りのない部屋に。
中高生(12歳〜):個を尊重する“自分らしさ”の空間
思春期に入ると、
「自分の世界」を持ちたくなる気持ちが
強くなります。
安心して一人になれる空間、
自分の趣味や考えに集中できる環境が
精神的な安定や自立を促します。
欧米では
早期にインテリアを
自分で決めさせる家庭も多く、
「自分の空間を自分でつくる」経験が
自己肯定感や責任感につながっています。
日本の家庭でも
親が一歩引いて見守る姿勢が
子どもとの健全な距離感を築くカギとなります。
▶ 工夫のポイント
- 自分の好きな色や家具選びを任せてみる
- 机や椅子、照明など長時間集中できる環境整備
- “一人になれる”けれど“孤立しない”距離感を意識
↓家具を選ぶのが難しければまずはカーテンを選ぶのを任せるのも◎
4. 成長を支える子ども部屋づくりのヒント

世界の子供部屋事情を踏まえて、
日本に合った子供部屋づくりのヒントを
解説します。
① 親子で一緒に作る
子ども部屋づくりは、
家具の配置やインテリアの色選び、
収納方法など、
すべてを大人が決めるのではなく、
子どもの意見を取り入れることで
「自分の部屋」という意識が育ちます。
たとえば、
「ここに絵本を置きたい」
「ぬいぐるみはこの棚に飾りたい」など、
子どもが主張する小さな希望も
大切にしてあげましょう。
小さなDIYや模様替えを
一緒に行うのもおすすめです。
自分で関わった空間には自然と愛着がわき、
片付けや整理整頓のモチベーションにも
つながります。
② 家具は柔軟に組み替えられるものを選ぶ
子どもは日々成長し、
生活スタイルも変化します。
そのため、
子ども部屋の家具は年齢や用途に応じて
レイアウトを柔軟に変更できるものを
選ぶのが理想的です。
たとえば、
幼児期には低めの棚やオープンラック、
小学生以降は
学習机や本棚などが必要になります。
また、
ベッドや収納家具も成長に合わせて
高さや位置を調整できるものを選んでおくと
長く使えます。
移動がしやすいキャスター付きの収納や
組み換え可能なユニット家具などは
特に便利です。

最初から可変性のある家具を取り入れておくことで将来の模様替えも楽になります。
③ 「見せる収納」で片付けを楽しく
子どもが自分で部屋を
片付けられるようになるには、
「片付けが楽しい」と感じられる工夫が必要です。
そのひとつが「見せる収納」。
お気に入りのおもちゃや作品を
しまい込むのではなく、
あえて“飾る”ように収納することで
片付けが楽しい習慣になります。
カラフルなボックスや
ラベル付きのカゴを使えば、
視覚的にもわかりやすくなり、
子どもでも迷わず片付けられるようになります。
壁にウォールシェルフを設置して
お気に入りのぬいぐるみや絵本を飾るのも
おすすめです。
④ 一人の時間と家族の時間をバランスよく
子ども部屋ができると
「自分だけの空間」が生まれ、
集中したり、リラックスしたりする時間が
持てるようになります。
しかしその一方で、
部屋にこもりきりになるリスクや
家族との時間が減ることもあるため、
バランスが重要です。
特に低学年のうちは、
「子ども部屋=完全な個室」とせずに
リビングやダイニングなど
家族の目が届く場所で過ごす時間も
意識的に確保しましょう。
宿題はリビング、
遊びや読書は子ども部屋、というように
活動内容によって場所を使い分けるのも
おすすめです。
また、
子ども部屋に
親が時々訪れて一緒に本を読んだり、
話をしたりする時間をつくることも
子どもにとっては安心感につながります。

“一人の空間を尊重しつつ、つながりも感じられる”関係性を意識することが大切です。
まとめ|世界の考え方もヒントに、わが家らしい子ども部屋を

子ども部屋は、
単なる“寝る場所”や“遊ぶスペース”ではなく、
子どもの成長を支える大切な場所。
日本だけでなく
海外の子ども部屋の考え方にも
目を向けてみると、
「なるほど」と思えるヒントが
たくさん見つかります。
自立を促す個室文化や、
安心と自由を両立させる北欧スタイルなど、
世界のアイデアを参考にしながら、
わが家らしい子ども部屋の形を探してみてください。
お子さんにぴったりの子供部屋ができますように☺︎
参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
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